技術情報
2026.06.19
新油の清浄度を測定したことはありますか?
油圧機器を効率的かつ安全に運転するためには、清浄な作動油が必要です。シルトロックなどの汚染に起因する問題は、バルブや機器の固着、動作不良の原因となり、生産性の低下や重大な労働災害につながる可能性があります。
ドラム缶に混入したごくわずかな異物であっても、オイルや機器の性能、さらには機械全体の耐用年数に深刻な影響を及ぼすことがあります。 だからこそ、オイルは納入後に機械へ投入する前の清浄度確認が非常に重要です。近年では、さらに徹底した管理を行う企業も増えています。例えば、新油を機械へ投入する前に専用のろ過装置を用いて高い清浄度までろ過してから使用する方法です。
新油が汚染された状態で供給を受ける経路は数多くあります。
例えば汚染されたドラム缶や容器、輸送時の混入汚染、容器ラベルの誤表示などが代表例であり、供給経路全体の管理状況が新油の清浄度に大きく影響します。一部では生産プロセスの改善に取り組み、こうした問題の低減を進めています。
しかし、それだけでは十分とは言えません。オイルの清浄度管理は、使用者側にも重要な課題があります。たとえ清浄度の高いオイルが供給された場合にも、使用する機械内部が汚染されていれば、機械を稼働する時に早期に汚染されてしまいます。
工場に納入される新油は、機械に投入する際に求められる清浄度よりも数段階汚れていることが少なくありません。
オイルの清浄度コード(ISO4406)を1段階改善するだけでも、機器寿命が35%延長されるという報告があります。この寿命延長は、工場全体で考えた場合非常に大きな効果をもたらします。 生産性の向上・維持は業界にかかわらず共通の課題になりますが、設備の稼働率低下やダウンタイムによる生産性への影響は計り知れません。

図1 オイル清浄度による機械寿命の例
ここまでの説明で、新油であっても供給された時点ですでに汚染されている可能性があることをご理解いただけたと思います。
清浄度の改善方法であるろ過は、時間のみを管理基準としているケースも多く、清浄度を数値で確認しないまま使用されることがあります。その結果、ろ過が不十分な状態でオイルが設備へ投入されるリスクが生じます。 適切なろ過評価を行うためには粒子計測装置が必要です。測定機器がなければ、どの程度ろ過すればよいかを経験や推測に頼らざるを得ません。
図2 新油として供給される状態の清浄度事例 ※油圧システムが求める基準清浄度レベル:18/16/13(電磁弁を除く)

残念ながら、新油の清浄度は近年でも十分に向上しているとは言いきれません。今後、さらなる取り組みが必要です。
改めて、「新油はきれいである」という従来の常識は必ずしも正しくありません。
こうした課題に対応するためには、まず現状を数値で把握し、その結果に基づいて改善策を立案することが重要です。
評価には従来から使用されているNAS等級や、現在広く採用されているISO等級を用います。これらの規格では、最小4μm~5μmレベルの微粒子を管理対象としており、目視で確認することはできません。そのため、現場で使用できる粒子計測器による評価が必要となります。
現場測定が重要な理由としては、外部分析機関へ依頼すると結果が出るまでに時間を要するためです。また、サンプリング後に粒子が容器内壁へ付着・凝集することや、分析方法の違いによって測定結果に差が生じる可能性もあります。
インテクノス・ジャパンでは、誰でも簡単に操作できる現場用測定機器の提供に加え、専門スタッフによる現状診断サービスも無償で提供しております。
この機会にぜひご活用ください。
FMSビジネスユニット 山本 瞬一
