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コンタミと潤滑油中の摩耗粉はどう関係する?

油の汚れから設備異常を読み解くための基礎知識

潤滑油の状態を管理するうえで、油中に含まれる「コンタミ」と「摩耗粉」は重要な監視項目です。
どちらも油中の粒子として検出されますが、その意味は同じではありません。

コンタミは設備の摩耗を引き起こす原因となる一方、摩耗粉は設備内部で起きている損傷の結果として発生します。本記事では、両者の関係と、設備診断に活用する際のポイントを解説します。

1.コンタミは設備摩耗のきっかけになります

コンタミとは、潤滑油中に混入した異物の総称です。代表的なものには、外部から侵入する砂じん、シリカ、金属粉、塗料片などがあります。

これらの粒子が軸受やギヤなどの接触部へ入り込むと、油膜が乱され、金属表面に引っかき傷や圧痕が生じます。特に、部品間の隙間や油膜厚さに近い大きさの粒子は、表面損傷を引き起こしやすくなります。

コンタミの侵入を放置すると、摩擦の増加や潤滑性能の低下につながり、設備寿命を縮める原因になります。

2.摩耗によって新たな摩耗粉が発生します

コンタミによって部品表面が損傷すると、設備内部から金属粒子が剥離し、潤滑油中へ放出されます。これが摩耗粉です。

発生した摩耗粉は油とともに循環し、再び摺動部や転がり接触部へ入り込みます。その結果、摩耗粉自身が研磨材のように作用し、さらなる表面損傷を引き起こすことがあります。

つまり、潤滑系統では、

コンタミの侵入 → 表面損傷 → 摩耗粉の発生 → 摩耗の加速
という悪循環が形成される可能性があります。この連鎖を早い段階で断ち切ることが、設備寿命を延ばすうえで重要です。

3.粒子数が多いからといって故障とは限りません

油中の粒子数が増加している場合、設備内部で摩耗が進んでいる可能性はあります。しかし、粒子数が多いことと、設備故障が直接一致するとは限りません。

一般的な光学式パーティクルカウンタでは、外部から侵入した異物と、設備内部から発生した金属摩耗粉を完全に区別できない場合があります。また、気泡や油中の析出物が粒子として計数されることもあります。

そのため、ISO清浄度コードなどで油の汚染状態を確認することは重要ですが、清浄度だけで設備損傷の有無を判断するのは困難です。

清浄度は「摩耗が起きやすい環境」を示す指標であり、摩耗粉は「実際に起きている損傷」を示す指標として、分けて考える必要があります。

4.摩耗粉は粒径や変化量も重要です

摩耗粉を評価する際は、単に粒子の数や濃度を見るだけでは不十分です。粒径、形状、材質、発生量の変化を組み合わせることで、摩耗の状態をより詳しく把握できます。

例えば、比較的大きな金属粒子が急増した場合には、疲労剥離や異常摩耗が進行している可能性があります。一方、微細な粒子が緩やかに増加している場合は、通常摩耗や長期的な摩耗進行が考えられます。

ただし、大きな摩耗粉は油中で沈降したり、フィルタに捕捉されたりするため、定期的な採油分析だけでは見逃されることがあります。採油のタイミングによって結果が変わる点にも注意が必要です。

5.コンタミと摩耗粉は時間軸で監視することが大切です

コンタミと摩耗粉の関係を正しく把握するには、単発の測定値ではなく、継続的な変化を確認することが重要です。

清浄度、水分、粘度、酸化状態などを監視すれば、摩耗を引き起こす潤滑環境を評価できます。一方、金属摩耗粉の粒径や発生速度を監視すれば、設備内部で進行している損傷を捉えやすくなります。

定期的なオフライン油分析に加え、オンラインセンサによる連続監視を組み合わせることで、突発的な摩耗粉の増加や異常の兆候を早期に発見できます。

まとめ

コンタミと摩耗粉は、それぞれ独立した管理項目ではありません。コンタミが摩耗を引き起こし、発生した摩耗粉がさらに摩耗を進行させるという密接な関係があります。

ただし、油中の粒子数だけでは、その粒子が外部から侵入した異物なのか、設備内部から発生した摩耗粉なのかを判断できない場合があります。

設備状態を正しく把握するためには、油の清浄度と摩耗粉の状態を組み合わせ、さらに時間的な変化を確認することが重要です。コンタミという「原因」と、摩耗粉という「結果」の両面から監視することで、設備異常の早期発見と計画的な保全につながります。

インテクノスは長年の経験をもとに、コンタミ・摩耗粉の両リスクの管理サポートのご提供が可能です。是非こちらよりご相談ください。

PPSビジネスユニット 齋藤圭介

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