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室内空気質と働く人の健康/快適性について

私たちは一日の大半を室内で過ごしており、その中でもオフィスや職場での滞在時間は非常に長くなります。

そのため、室内空気質(Indoor Air Quality: IAQ)は労働者の健康や快適性、そして生産性にも大きな影響を及ぼします。

空気中には微小粒子、揮発性有機化合物、二酸化炭素、カビや細菌などさまざまな汚染物質が存在し、長時間の曝露は呼吸器系や循環器系への負担、アレルギー症状、集中力の低下につながる可能性があります。

目次

  1. 主な室内汚染物質と健康への影響
  2. 職場で推奨される基本的な対策
  3. 健康と生産性への効果
  4. 実践的なチェックポイント
  5. おわりに

1. 主な室内汚染物質と健康への影響

粒子状物質(PM2.5など):

交通由来や建物内部での調理/喫煙などから発生しやすいです。これらは肺の奥深くに入り込み、喘息や気管支炎の悪化、心血管系への影響を及ぼすことが知られています。

揮発性有機化合物(VOCs):

オフィス家具、接着剤、塗料、清掃用品などから発生します。短期的には目や喉の刺激、頭痛、めまいを引き起こし、長期的には神経系や発がん性リスクが懸念されます。

二酸化炭素(CO₂):

人の呼気によって蓄積し、換気が不十分なオフィスで濃度が高まります。高濃度になると眠気や集中力低下につながり、作業効率が下がる可能性があります。

アレルゲンや微生物:

カーペットや空調設備にたまったホコリ、カビ、ダニ、ペット由来のアレルゲンはアレルギー症状や喘息の引き金となります。また、換気が不十分だとウイルスや細菌が滞留し、感染症拡大のリスクが高まります。

2. 職場で推奨される基本的な対策

働く環境における室内空気質の改善策は大きく「発生源対策」「換気」「ろ過/清浄」の三つに分類されます。

発生源対策:

・屋内での喫煙禁止や調理煙の管理を徹底すること。

・低VOC仕様の家具や建材を導入すること。

・強い臭気や化学物質を含む清掃/消毒用品の使用を最小限に抑えること。

換気の強化:

・外気を取り込む換気システムを適切に稼働させること。

・二酸化炭素濃度の測定を行い、基準値を超えないよう管理すること。

・天候や外気汚染状況を踏まえ、自然換気(窓開け)も組み合わせること。

ろ過/空気清浄:

・HEPAフィルタを用いた空気清浄技術を導入し、粒子状物質やアレルゲンを低減させること。

・活性炭フィルタで揮発性有機化合物や臭気を吸着すること。

・フィルタは定期的に交換し、清浄機能を維持すること。

3. 健康と生産性への効果

研究報告では、室内空気質の改善によって次のような効果が確認されています。

・微小粒子を減らすことで呼吸器疾患や心血管リスクを軽減できる可能性があること。

・二酸化炭素濃度を抑えることで集中力や判断力が向上すること。

・アレルゲン対策によってアレルギー症状や喘息発作を抑制できること。

・快適な空気環境は従業員の満足度や職場でのパフォーマンスを高めること。

4. 実践的なチェックポイント

働く環境で取り組みやすい行動をまとめます。

日常的にできること:

・執務室の換気を定期的に行う。

・机まわりや床のホコリを減らすために清掃を習慣化する。

・空気清浄機やフィルタ機能付き空調を稼働させる。

中長期的な取り組み:

・空調システムの換気量やフィルタ性能を定期的に点検/改善する。

・オフィス設計や改修時に、低VOC建材や家具を採用する。

・室内空気センサーを設置し、数値に基づいた環境管理を行う。

5. おわりに

職場における室内空気質は、健康リスクの低減と快適な作業環境の実現に直結します。

発生源を減らし、換気を確保し、フィルタリング技術を適切に利用することが基本です。

さらに、モニタリングや清掃の徹底といった日常的な工夫を積み重ねることで、長期的に働きやすい環境づくりが可能となります。

これは、工場などモノづくりの現場でも同様であり、私たちインテクノス・ジャパンは、そのような働く人々の健康にかかわる環境の汚染管理についても、どうあるべきかを想い、より良い姿を実現するための研究開発をおこなっています。

高木 篤 / コンサルティングTOPチーム ― TOBIRA ―

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