技術情報
2026.03.19
半導体や医薬品、精密機器の製造など、高度な品質管理が求められる分野では「目に見えない微粒子」の管理が非常に重要です。空気や液体中に含まれる微粒子は、製品の不良や性能低下の原因になることがあります。
こうした微粒子の数や大きさを測定する装置がパーティクルカウンタです。本稿では、パーティクルカウンタの基本的な仕組みと種類、そして代表的な測定方式である光散乱方式と光遮蔽方式の違いについて解説します。
パーティクルカウンタとは、空気や液体、ガスなどの中に含まれる微粒子の数やサイズを測定する計測機器です。微粒子には粉じんや微小なゴミ、金属粉、化学物質の微粒子などが含まれます。
これらの粒子は人の目では確認できないことが多いものの、製造工程や研究環境では大きな影響を及ぼします。例えば半導体製造では、非常に小さな粒子でも回路パターンに付着すると不良の原因になる可能性があります。 そのためクリーンルームなどの管理環境では、空気中に存在する粒子数を測定し、一定の基準を満たしているかを確認する必要があります。パーティクルカウンタは、そのような環境の清浄度管理に欠かせない装置として広く利用されています。
パーティクルカウンタは、測定対象の流体(空気や液体)を装置内部に取り込み、光を利用して粒子を検出します。
粒子が光の測定領域を通過すると、光の挙動に変化が生じます。この変化を光センサーが検出し、電気信号として処理することで粒子の数や大きさを算出します。
代表的な測定方式には以下の2つがあります。
・ 光散乱方式
・ 光遮蔽方式
それぞれの方式は測定原理や用途が異なり、測定対象によって使い分けられています。
光散乱方式は、現在多くのパーティクルカウンタで採用されている測定方式です。
この方式では、レーザーなどの光源を測定領域に照射し、粒子がその光を通過する際に発生する散乱光を検出します。粒子に光が当たると、光はさまざまな方向に散乱します。この散乱光の強さを検出することで、粒子の存在や大きさを推定する仕組みです。
散乱光の強度は粒子サイズに応じて変化するため、信号の大きさを解析することで粒径ごとの粒子数を測定できます。
特徴
光散乱方式には次のような特徴があります。
・ 非常に小さな粒子を検出できる
・ 空気中粒子の測定に適している
・ クリーンルーム管理で広く利用されている
特にサブミクロン(1µm未満)の微粒子測定に向いており、半導体工場や医薬品製造などの環境測定でよく使用されています。
ただし、散乱光は粒子の形状や材質の影響を受けるため、粒径の推定値にばらつきが出る場合もあります。
光遮蔽方式は、粒子が光を遮る(遮断する)現象を利用した測定方法です。
装置内部では光源と検出器が一直線に配置されており、通常は光が検出器に届いています。そこを粒子が通過すると、粒子によって光が遮られ、検出器に届く光量が一時的に減少します。
この光量の減少を電気信号として検出し、その変化の大きさから粒子のサイズを判断します。
特徴
光遮蔽方式の主な特徴は次の通りです。
・ 粒子サイズを比較的正確に測定できる
・ 液体中の粒子測定に適している
・ 比較的大きい粒子の測定に強い
特に油や薬液などの液体中におけるマイクロメートルオーダーの粗大粒子測定で多く利用されています。光を直接遮る量を測定するため、粒子サイズの測定精度が比較的高いというメリットがあります。
一方で、非常に小さな粒子の検出にはあまり適していない場合があります。
パーティクルカウンタは、さまざまな産業分野で利用されています。
代表的な用途としては以下のようなものがあります。
・ 半導体製造におけるクリーンルーム管理
・ 医薬品製造施設の環境モニタリング
・ 医療機器製造の品質管理
・ 精密機器の製造環境管理
・ 潤滑油や油圧機器の状態監視
・ 化学薬品や純水の品質管理
微粒子の管理は製品品質や安全性に直結するため、多くの産業で重要な役割を担っています。
パーティクルカウンタは、空気や液体中の微粒子を測定するための重要な計測機器です。光を利用した測定技術によって、肉眼では確認できない粒子の状態を把握することができます。
代表的な測定方式には光散乱方式と光遮蔽方式があり、それぞれ測定原理や用途が異なります。光散乱方式は空気中の微粒子測定に適しており、光遮蔽方式は液体中の粗大粒子測定で高い精度を発揮します。
こうした技術は、半導体や医薬品などの高度な製造分野において欠かせない存在となっています。今後も製造技術の高度化とともに、パーティクルカウンタの重要性はさらに高まっていくと考えられます。
インテクノス・ジャパンは、顧客企業の清浄度管理を支える一環として、パーティクルカウンタの選定補助や提供をおこなっております。経験豊富な専門員がお客様の用途に最適な機器導入をサポートいたしますので、お困りの際や迷われた際はお気軽にご相談下さい。
高木 篤 / コンサルティングTOPチーム ― TOBIRA ―


